写真の人物はラクシュマン・カディルガマル外相(享年73)。僕の旅行中に自宅の庭で狙撃された。タミル人武装勢力「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」がらみの暗殺だった。スリランカの人口7割を占めるシンハラ人と少数派タミル人との民族(宗教)対立は1980年代に内戦化し、テロと武力衝突による死者は7万人をこえている。一時和平も提案されたが決裂し泥沼状態となった。外相はタミル人でありながらキリスト教徒の家に育ち、政府の一員としてタミル民族への強硬姿勢をとるという複雑な立場にいた。

(追記)2009年5月、26年続いた内戦は政府軍の武力制圧により一応の終結となった。当面一般市民はテロの脅威から解放されたわけだが、難民キャンプには戦闘 で家を失った多くの人々が残され苦しんでいる。経済の民族格差も大きく問題は山積みだ。スリランカの戦後復興ははじまったばかり。

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