遠征の途中で工事現場に立ち寄ったティムールは激怒したそうである。「工事が遅い!」「正面アーチが小さいぞ!」時にティムールは60代半ば、豪勇で知られた帝国のカリスマも、そろそろ自身の衰えを感じる年齢だったと思う。アクサライはじめ、大規模な建築には、それなりの時間がかかる事を知っていたはずのティムール。早期完成をあせったのは、最期を予感していたからではないか、と想像した。

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