器には濁りの無い薄緑の液体が入っていた。「これはな、いま搾ったばかりのオリーブオイ ルだよ。一番搾りだぜ。飲んでみろ。」オジさんがにやりと笑う。オリーブオイルって・・・油だよ ね、油をそのまま飲むなんてした事ないんだけど。ためらっていると、隣の妻がクピクピっと飲んで いる。「あ、美味しいよ!」と妻。僕もおそるおそる口に運ぶ。おっ、確かに臭みがない、油じゃな いみたいだ。濃厚なオリーブジュースという感じ。ギリシャの人は自家製のオイルをパンにつけて食べるそうだが、この油なら納得!
帰り際、日本から観光に来た事を話すと、聞いたオジさんは「日本??そんな遠い所から、何だって こんな季節に〜」となかば呆れながら(笑)しかし、くしゃくしゃの笑顔で見送ってくれた。

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